白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「……任務は、必ず遂行する。だけど、私……怖くなって。罪も無い人を、沢山殺してきたかもしれない……」




胸の服をくしゃりと握って、目を瞑る。


たった今殺したあの人だって……。



許される行為だとは思っていない。

だけど、今まで心の拠り所にしていた免罪符がもし存在しないものだったら……私は、ただの殺人鬼になる。


“あの時”から、何も変わっていない。

ただの人殺し。


それが、私の本質――……?




「ひょうかおねーちゃん。たーげっとのことなんて、きにしなくていいんだよ。おしごとだから、ころすだけ。ぼくたちは、そういうそんざいなんだ」




足下が崩れるような、そんな恐怖に飲まれていた私の頬に、小さな手が触れる。


目を開ければ、ボスは冷たくも見えるような顔で、優しく笑っていて。

ボスの言葉は、私の心に染み込んで、溶ける。