言動や行動まで、一切の違和感を与えさせないボスを見分けるには、舌に刻まれたドクロの有無を確認するしかない。
「ボス、会いたかった」
「ぼくも、おねーちゃんのおかおがみたくなって、あいにきちゃった」
えへへ、と笑うボスに胸がじーんとする。
この世界で一番好きな人。
私の生きる意味。
会うと実感する。
ボスは私の全てだ。
「おねーちゃん、なやみごとがあるの?」
コテンと首を傾げて、ボスは尋ねる。
夜空に浮かぶ星のような、銀色の大きな瞳に見上げられて、視線を落としながら頷いた。
「うん……今、任務で近付いてるターゲット……來樺院獅紋は、潔白な正義感を持ってて、人に恨まれることなんてしたこともないような人なの」
「そうなんだ……それで?」



