『火魔法を得意とする人が比較的扱いやすいのは風魔法。さて、それじゃあ風魔法が得意な人が苦手とする属性は?』
『う〜ん……おみず?』
『惜しい。水魔法も難しいけど、もっと難しい属性があるんだ』
『ぼく、しってるよ! かぜのはんたいは、つちなんだ』
幼い少年が元気よく答えると、体の大きな少年は笑って手のひらの上に落ちた草をどかす。
そして今度は、その手のひらの上に、泥団子のように丸く固まった土の玉が現れた。
『正解。火、水、風、土、この4つの属性と、どの属性にも当てはまらない魔法を総称した無属性。これら5つをまとめて基本属性と言うんだ』
『きほんぞくせい?』
『うん。基本属性は勉強さえすれば誰にでも使えるから、2人も好き嫌いしないで勉強するんだよ』
『『はーい!』』
幼い少年と少女は声を合わせ、体の大きな少年は2人の頭をそれぞれ撫でる。
一陣の風が、黒い髪と金色の髪を揺らした。