「その癖、いつからあるんだ?」
「……子供の時から。あの、獅紋……そんなに、変?」
私が知らないだけで、何か不味いことだったのかもしれない。
自分では当たり前だと思っていた職業病、みたいな。
まさか殺し屋だと気付かれたわけじゃ……。
そんな風にヒヤヒヤしていると、獅紋はハッとして、勢いを弱めた。
「いや……知り合いと、同じで。驚いただけだ」
「……同じ?」
獅紋の知り合いと同じ癖。
その知り合いというのは、犯罪者では無い……と思っていいのだろうか。
獅紋は眉根を寄せて口元を手で覆い、私から顔を背けて考え込むように沈黙した。
何かよくないことに気付かれたんじゃ、と咄嗟に誤魔化そうとして、けれどどう誤魔化せばいいのか悩む。



