白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



まぁ、ただタトゥーが入れてあるだけなら、獅紋に問いただす権利は無いし、そこまで必死に暴く理由も無い。

獅紋が誰か……特に、魔導警察にその話をしなければ、あるいは聞いた誰かが真に受けなければ、殺し屋だと気付かれることは無いのだけど。




「女子の舌を勝手に見た話、獅紋なら言い触らしたりしないよね?」


「……後ろめたい話か?」


「さぁ。もし変わった場所に変わったものがあるなら、そこには普通じゃない事情がある。それだけだよ」




膝を抱え、俯いてそう言うと、獅紋は何も言ってこなかった。


私は舌のドクロを良いものだと思っている。

ボスとお揃いだし、ボスが私を認めてくれた証だから。


でも、それと同時に、これは消えない罪の証でもある。

この舌にドクロを刻んだ時から、私は殺し屋以外の生きる道を失った。