「偽物だって分かったのは、港泰(こうだい)に調べてもらったから。それであの人を問い詰めたら、殺し屋だって分かって……」


「殺し屋が、そう簡単に正体を明かすか?」


「勘違い、してたみたい。私が殺し屋だと気付いてるって。だから、どうして分かったの? って聞かれて、その時知った」




実際、蠱惑(こわく)は私が毒魔法の使い手だと知っている、と勘違いしていた。

内容は変えているけど、事実は事実なので、それなりに本当っぽく聞こえるだろう。




「……そうか。まぁ、分かった。……そういえば、黒塚。舌に、タトゥーを入れているんだな」




来た、と身構える。

翠笑(すいしょう)から、一昨日気絶した後、獅紋にドクロを見られたかもしれない、と聞いて、追求をかわす方法を事前に考えておいた。