白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「李璃を騙った、あいつの作り話……それが本当なら、どれだけいいか。もし、李璃がどこかで、幸せに暮らせているなら……」


「……うん」


「……でも、犯人に連れ去られたのなら……もうとっくに、…………そう考えると、怖いんだ……」


「うん」


「李璃が辛い目にあっているかもしれないのに、学校に通って、授業を受けて……そんな日常を送らなきゃいけない自分が、能天気で、無力で……」


「うん……」




自分を責める声を聞きながら、背中をゆっくり摩る。


これだけ想われているのに、当の白蓬李璃はどこにいるのだろう。

何をしているのだろう。


早く、獅紋を苦しみから解放してあげて欲しい。




「おじさまとおばさまを殺して、李璃を連れ去った犯人が許せない……犯罪者なんて……」