顔を横に向けて獅紋を見ると、ここ数日で見た柔らかい表情が嘘のように、顔から表情が抜け落ちて、暗い目をしていた。
こんな酷い顔、と胸が締め付けられて、体の奥底から突き動かされるように、獅紋の左の頬に手を伸ばす。
ピクッと反応して私を見た獅紋は、自嘲するように笑って、私の手をそっと離した。
「色々考えた。今回の件で気付いたんだ。俺はもう、李璃が目の前にいても気付けないんだって。ずっと想ってきた、大切な子なのに……」
「そんなこと……獅紋なら、気付けるよ」
「いや……考えてみれば、当たり前なんだ。俺達は一緒にいた時間より、離れてからの時間の方が長いんだから」
「獅紋……」
私は翠笑みたいに口が上手くないから、どういう言葉をかけたらいいのか、分からない。
それでも、暗い目をする獅紋をそのままにはできなくて、躊躇いながら金色の髪を撫でた。



