白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「瑠璃さま。こういう時こそ、チャンスですよ。傷心している來樺院さんに寄り添って差し上げることで、來樺院さんも瑠璃さまにお心を許すはずです」


「……傷心に、つけ込むの?」


「まあ、そのようなこと。傷付いたお心を癒して差し上げるだけですわ。女は時として、強かにあらねばならないのです」




うふふ、と微笑む胡桃に、知りたくなかった一面を知ってしまったような気持ちになる。


でも、まぁ、任務の為だし……胡桃のアドバイスも、尤もだし……。



そんな思いでタイミングを伺っていると、昼休み、獅紋が中庭に向かったので、私も後をつけた。

すぐに現れては不自然なので、獅紋が木の根元に腰を落ち着けてしばらく経ってから、茂みの奥に向かう。




「……黒塚(くろづか)?」


「その……隣、座っていい?」


「……あぁ」