Side:氷霞(ひょうか)(黒塚瑠璃)


殺し屋蠱惑(こわく)と対峙してから、2日が経った。

あの後気絶してしまった私は、お昼を過ぎてから目を覚まし、翠笑(すいしょう)に事のあらましを聞いたり、魔導警察に取り調べを受けたり、慌ただしく1日を終えた。



学生同士の傷害事件だから早く解放される、というわけにもいかず、魔導警察からは、殺し屋と争うことになった理由についてしつこく聞かれた。


蠱惑はどうやら、私が殺し屋氷霞(ひょうか)だと言わなかったようなので、正体がバレることはなかったのだけど。




「まさか入月(いりづき)さんが白蓬(はくほう)李璃(りり)様になりすまして、瑠璃(るり)さまと争うことになるなんて……お体は本当に大丈夫なのですか?」


「うん。大した傷は受けてないから」