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さくら魔法学園、高等部校舎裏で起きた生徒同士の傷害事件。


被害者であり、加害者である女子生徒の1人、入月(いりづき)織江(おりえ)は、後の取り調べにより、ハニートラップを得意とする殺し屋、蠱惑(こわく)であることが判明した。



殺し屋蠱惑は、同学園の生徒、來樺院(らいかいん)獅紋(しもん)の暗殺依頼を受けていたことを供述し、傷害事件の発端は殺し屋であることが知られたからだと話している。


また、本物の入月織江はホテルに監禁されていることが明らかになり、魔導警察によって少女は無事に保護された。




時は少し遡り、事件現場である高等部校舎裏の捜査中。




「ん……? この波長は……」




現場に残存する魔力を調べていた捜査官は、魔力波解析機に表示された波長を見て眉を顰める。




「いやいやしかし……使われたのは火と風……アレとは属性がまるで違う……」




ぶつぶつと独り言を呟いた捜査官は、「うぅむ……故障か……?」と最後に言って、別の捜査に移った。