白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



この部屋には廊下の類が無く、扉を開けてすぐが生活空間になっている。

部屋の中央にローテーブル、扉脇に簡易キッチン、ある物はそれくらいで、綺麗に片付いていた。


類家(るいけ)胡桃(くるみ)が示したのは部屋の左側にある扉。

反対の右側にも2つ扉がある。



まずは制服に着替える必要があるから、私は左側の扉に真っ直ぐ向かって私室に入った。


飾り気の無いベッドと勉強机、棚が備え付けの家具。

床の空きスペースにはダンボールが積まれ、勉強机の上には真新しい教材と制服が置かれている。



持ってきた荷物を床に置くと、私は黒で統一した服を全て脱いだ。

下着の上からYシャツを着て、黒のスカートを履き、金のラインが入った黒ネクタイを締め、白いブレザーに袖を通す。




「……スカートが、短い」




軽く体を動かして、制服でどの程度動けるか確かめていると、すぐめくれるスカートが気になった。

大体、膝から5センチ前後丈が離れているだろうか。