白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



これで入月織江は黒になった。

後は翠笑の報告を待つだけ。


美味しい収穫に機嫌良く席に向かうと、自分の席に荷物を置きに行っていた胡桃がこちらに来る。




「何のお話を?」


「大したことじゃない。それより胡桃、昨日の彼女……入月織江の得意属性って何?」


「入月さんですか? えぇと、確か水と風でしたよ」


「水と風、ね。ありがとう」




上手くいけば、2つの問題を一気に解決できるかもしれない。


朝の時間は胡桃と雑談をしながら過ごし、私は1時間目が終わるのを待った。

授業はいつも通り聞き流して、休み時間になると、翠笑がニコニコ近付いてくる。




「おっはよ~。ビックニュースだよ、瑠璃(るり)ちゃん。……あの時の先生、僕達に用事頼んだこと覚えてないんだって」