獅紋の前に現れた、白蓬李璃かもしれない人物。
入月織江という名で学園に通う彼女は、本物である可能性を残しながらも、探れば怪しい点が出てきた。
『あれ、氷霞ちゃんも植物園にいたの? えっとね~、あの時話してたのは、犯人から逃げた後どう過ごしてたかってことだよ』
『どんな内容だったの?』
『う~ん、今の両親が良くしてくれて、辛いことばっかりじゃなかった、みたいな。獅紋を安心させる内容だったよ』
『そう。眼鏡を外した時は、どんな話を?』
『あぁ、アレ? “この眼鏡の魔法具も両親がプレゼントしてくれたもので”、って女の子の方が言って、獅紋が、“もう一度青い目を見たい”って言ったんだ』