白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



何だかよく分からないけど、獅紋と恋仲になる為の協力は得られそうだ。




「え、と……ありがとう」




小声で話しながら、チラチラと鏡に映る2人を見ていると、入月織江が周囲を気にする様子を見せて、眼鏡を外した。

あれが芹羽港泰の言っていた眼鏡の魔法具なら、今、入月織江の目の色は変わっているはず。


手鏡では2人が遠く、目の色まで分からないので、私はポケットからスマートフォンを取り出して、改造カメラを起動した。




「る、瑠璃さま……?」




レンズを植物の間から覗かせ、最大まで拡大すると、入月織江の顔が視認できる。

その目は、青色だった。




「あら? 入月さん? どうして目が……」


「知ってるの?」


「え、えぇ。以前同じクラスになったことが……でも、彼女の目は琥珀色でした」