「はぁい、あ……おはようございます」
「おはようございます、類家さん。こちら、今日から寮に入る黒塚瑠璃さんです」
寮監が扉を開けると、部屋の奥から桜色の髪に桜色の瞳をした女子が出てきた。
身長は低めで、三つ編みにした長い髪を左肩に流している。
身に纏う特徴的な白いブレザーはこの学園の制服で、黒いネクタイに入っている金色のラインはSクラスの証だ。
寮監の紹介で私を映した桜色の瞳は、萎縮したように揺らいだ。
特に威圧しているつもりはないけど、どこか高圧的に見えたのだろうか。
「黒塚さん。こちらは同室となる類家胡桃さんです。同じSクラスの生徒さんですよ」
「……よろしく」
「ぁ、は、はい! こちらこそ、よろしくお願いします」
さくら魔法学園の寮は2人1部屋。
ルームメイトとは良好な関係を築いておきたい。