芹羽港泰は、私の問いかけに視線を落として考え込む。
明らかに偽物だと分かれば白蓬李璃の名前を出すつもりは無かったけど、本物の可能性があるなら、後は芹羽港泰に任せた方がいい。
「そうだな……詳しく調べてみないことには何とも言えないが、可能性はゼロじゃない」
「じゃあ、よろしく。あと……魔法を使わずに目の色を変える方法って、ある?」
獅紋に直接聞くわけにはいかないから、青目じゃないのに入月織江が白蓬李璃だと気付いた理由は、こちらで考えるしかない。
その中の1つの可能性を尋ねると、芹羽港泰は眉を顰めた。
「魔法を使わずにそんなこと……あぁ、いや、1つだけあった。眼鏡の魔法具だ。ファッション用品で、眼鏡1つにつき1色しか変えられないから、あまり出回ってないが」
「ファッション用品の、魔法具……?」



