人が寄りつかない場所で2人が出会ったのは、単なる偶然なのだろうか。
「交友関係は狭い方で、同性とよく……あぁ、そういえば最近彼女に告白した男がいたな。何でも、“入月織江は最近美人になった”とか……」
「美人になった?」
「あぁ。大方、恋に落ちてそう見えるようになっただけだろうが」
芹羽港泰は笑って肩を竦める。
恋心が人にどういう影響を与えるのかは分からないけど、昨日見た彼女は実際、顔立ちが整っている方だった。
そういえば、獅紋が持っていた似顔絵とは似ていたっけ……?
「……彼女の誕生日と家族構成は?」
「1月31日。父親と母親の3人家族だが、養子で血は繋がっていない」
「そう……入月織江が、白蓬李璃ということはありえる?」
「! そんなことを疑ってたのか」



