私からの質問責めにも慣れた芹羽港泰は、やれやれという空気を醸し出して腰に手を当てた。
教室に獅紋達を残し、1人で芹羽港泰を探しに来た私は、廊下で目的の人物を見つけ、早速情報収集を始めた。
容姿も聞いたのは、彼女が本当に入月織江か確かめる為だ。
「入月織江は黒髪ロングに琥珀色の目をしていて、眼鏡を掛けている。読書好きで大人しい人物だな。目立った特徴は無いぞ」
「第2図書室によく出入りしてるとかは?」
「さぁ、聞かないな。まぁ……よっぽどの読書家なら、あそこにも出入りするんじゃないか?」
左手を顎に添えて考えるように言った芹羽港泰の言葉に、私も考え込む。
昨日、獅紋が第2図書室にいたのは教師に雑用を頼まれたからだとして……白蓬李璃、否、入月織江の方は何故あんな場所にいたのか。