白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



獅紋を狙う他の殺し屋については、芹羽(せりう)港泰(こうだい)に聞いて候補を選出している段階で、まだ特定も排除もできていない。

向こうも、1週間ずっと“仕事”をするタイミングが無くて焦っているはずだから、急いで獅紋の元に行かないと。




「ちょっと、どこ行くつもり!?」


「トイレ」




女子達を置いて談話室から飛び出し、早足で第2図書室に向かう。


先週の間に、この学園のマップは頭に入れた。

人気の無い場所は=暗殺スポットでもあるので、よく調べている。


第2図書室は、生徒達の間で本の墓場と呼ばれている特殊な施設だ。

マイナーな本やマニアックな本ばかり置かれているので、人が寄りつかない暗殺スポットの1つ。



人目が無いところでは遠慮無く走って、4階の東廊下に位置する“本の墓場”に辿り着くと、扉の向こうから獅紋の声が聞こえた。