「Sクラスに入ったからって調子乗ってんじゃないわよ、成績と女としての魅力は全く関係無いんだから」


「そう」


「そう? あはっ、お高くとまっちゃって。あなたって、どうせ男子に告られたことも、付き合ったことも無いんでしょ」


「そうだけど」




適当に答えていると、スカートのポケットに入れていたスマートフォンが振動する。

女子達の声を聞き流しながらスマートフォンを取り出すと、翠笑(すいしょう)からメッセージが来ていた。


魔力でロックを解除し、一見無意味な操作をして改造メッセージアプリを開くと、届いた暗号文を読み解く。




“教師から依頼、ターゲットは第2図書室。緑は別件、任務離脱”



どうやら、獅紋が教師から雑用を頼まれたらしい。

緑は翠笑のことなので、何らかの事情で獅紋が1人になってしまったという報告だ。