「そう。魔導警察は……捜索してないの?」
いくら魔導警察の家系とはいえ、來樺院獅紋はまだ一介の学生に過ぎない。
素人が捜すより、本職に任せた方がいいと思うのだけど。
そんな思いで尋ねると、來樺院獅紋は「している」と静かな声で答えた。
「でも、随分と時間が経ったからな。行方不明者は、7年経つと死亡扱いにできることは知っているか?」
「……初めて聞いた」
「そうか。まぁ、そういう法律もあるから……ほとんどの人間は、もう、李璃を死んだものと見なしている」
淡々と告げる声を聞いて、來樺院獅紋の顔を見た。
私には、來樺院獅紋の気持ちは分からない。
でも、もし私も大切な人を……ボスを失ったらと考えると、少しは想像できるような気がする。



