Side:氷霞(黒塚瑠璃)
翠笑と話をしてから、私は來樺院獅紋への壁を作り直した。
彼の言葉を聞き入れないように、潔白の正義感を見ないように。
そうして過ごしている内に、学園に来てから初めての休日が訪れ、私は私服で街に出た。
その目的はもちろん、任務の遂行だ。
「……黒塚?」
大通りをぶらぶら歩きながら、道路脇の大型店舗を眺めていると、向かいから声が聞こえて顔を向ける。
沢山の人がいる中でも目を惹く容姿の來樺院獅紋は、清潔感のある極々シンプルな装いをしていて、意外なものを見た、と言いたげな顔で私を見ていた。
「獅紋……おはよう。奇遇だね。そっちも散歩?」
「おはよう。……まぁ、似たようなものかもな」
來樺院獅紋は通行の邪魔にならないよう、道の端に移動しながら、溜息でも吐きそうな雰囲気で目を伏せる。
翠笑と話をしてから、私は來樺院獅紋への壁を作り直した。
彼の言葉を聞き入れないように、潔白の正義感を見ないように。
そうして過ごしている内に、学園に来てから初めての休日が訪れ、私は私服で街に出た。
その目的はもちろん、任務の遂行だ。
「……黒塚?」
大通りをぶらぶら歩きながら、道路脇の大型店舗を眺めていると、向かいから声が聞こえて顔を向ける。
沢山の人がいる中でも目を惹く容姿の來樺院獅紋は、清潔感のある極々シンプルな装いをしていて、意外なものを見た、と言いたげな顔で私を見ていた。
「獅紋……おはよう。奇遇だね。そっちも散歩?」
「おはよう。……まぁ、似たようなものかもな」
來樺院獅紋は通行の邪魔にならないよう、道の端に移動しながら、溜息でも吐きそうな雰囲気で目を伏せる。