ボスの言葉に意識を戻して、指令を頭に刻み込む。


私は氷使いという印象を強める為に、髪を白く染めている。

“手の内は隠しておくものだ”というボスの言葉に従って。


学園に潜入するまでには、地毛に戻しておかなければいけない。




來樺院(らいかいん)獅紋(しもん)は金髪緑目の美丈夫だ。4年Sクラスには金髪緑目は1人しかいないからすぐ分かるだろう」


「分かった」


「それと1つ大事なことがある。來樺院は魔導警察の家系だ。近親者に会う機会は無いだろうが、舌は見せるな」




ボスの忠告に深く頷いた。


翠笑(すいしょう)が躊躇ったのは、來樺院のことを知っていたから?


ターゲットの正体が何であっても、私は殺すだけ。

だけど……用心するに越したことは無い。




「口頭で伝えておくことはこれくらいだな。他はメールで補足する。読んだらいつも通り削除すること。以上だ」


「りょうか~い」


「了解、ボス」