白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「ん……大丈夫。ごめん」




答えながら顔を上げると、金髪の間から覗く緑の瞳が私を見下ろしていた。

ドキッとしたのは、潔白な正義感を持つ來樺院獅紋が怖いからか。




「具合が悪いなら、保健室に行った方がいい。1人で歩けないなら送るが」


「大丈夫。少しふらついただけ」




強ばる体を動かして來樺院獅紋から離れると、少し距離を置いて座った。

最近あまり食事を摂っていないのと、寝不足なのが重なってふらついてしまったみたいだ。


ターゲットの前でこんな失態をおかすなんて。




「……俺が怖いのか?」


「!」




意識していない時に図星をつかれて、ピクッと体が反応してしまった。

顔には出てないはずなのに、どうして気付かれたのか。




「……どうして、そう思うの?」