食堂で騒ぎがあったあの日から、もう数日が経った。

來樺院(らいかいん)獅紋(しもん)を狙う他の殺し屋はまだ様子を伺っているのか、彼の周りで不審なことは起こっていない。


芹羽(せりう)港泰(こうだい)が言っていた用務員にも会いに行ったけど、探りを入れても反応が無く、交代した用務員は殺し屋では無い、と判断した。

そうなると依然、他の殺し屋の手がかりは掴めないままで。




「……」




昼休み、胡桃(くるみ)と食事をした私は、残りの時間を來樺院獅紋と過ごすつもりで、中庭に向かっていた。

この時間は中庭にいることが多い、と翠笑(すいしょう)に聞いたから。


來樺院獅紋の正義感が発揮される場面は、あれから数回あった。

食堂での騒ぎが一番大きかったけど、悪を糾弾する彼の態度は変わらず潔白だ。


どんな理由があろうと、罪は罪。

許されるものでは無い。

そう言うように。


來樺院獅紋のその考え方は、私にとって毒だ。