「なっ、んだと!? もやし野郎のくせに好き放題言いやがって……! 身の程を思い知らせてやる!」
震えている方は、その瞳を憎悪の炎で燃やして、制服を着崩した男子生徒を睨みつけている。
あの顔は本物だ。
震えている方の男子生徒が言ったことは事実なのだろう。
私は逆上して、震えている男子生徒に殴りかかろうとしているもう1人を、風魔法で制止しようとして……止めた。
「それ以上続ければ拘束する、と言ったでしょう」
「あぁ!? 何だこの手錠!?」
「なっ、どうして僕まで……!」
2人の男子生徒、そのどちらの両手首にも、手錠が嵌められる。
來樺院獅紋の鉱物魔法……面白い使い方をするものだ。
震えていた方の男子生徒は顔を歪めて來樺院獅紋を見たけど、金髪緑目の彼は冷ややかな表情で視線を返した。



