「ご協力感謝します。……両者共に非があるようなので、教員が到着するまでその場から動かないでください。逃げようとすれば拘束します」
テキパキとまとめる彼の手腕は見事なものだ。
慣れを感じさせる。
そう思っていると、翠笑がまた耳打ちをしてきた。
「近くで揉め事が起こると、いつもああやって仲裁してるんだよ。他のことには無関心なのにね」
魔導警察の家系らしい行動といえば、らしい行動だけど。
ああ見えて正義感が強いのだろうか。
外野からそんな風に分析していた私は、「僕は悪くない!」と叫ぶ声に意識を引っ張られた。
「いつもいつも、こいつは僕をいじめてくるんだ! 最低のクズ野郎なんだよ! ちょっと仕返しをしてやっただけだ、こんなんじゃまだまだ足りないくらい……!」



