白の姫に差し伸べられた、光と闇の手





「あぁ? 4年は黙ってろ。てめぇ、よくも俺を吹っ飛ばしやがったな!」


「うっ、うるさい! お前が悪いんだろ! 僕は当然のことをしただけだ!」




問題の場所には、2人の男子生徒がいた。

制服を着崩している方の周囲は、イスが薙ぎ倒されたように転がっていて。

震えながらも言い返している方は、魔力を練り上げて魔法を発動する準備をしている。


來樺院獅紋が先輩と言っていたし、翠笑も「上級生みたいだね」と耳打ちしてきたので、あの2人は4年生では無いようだ。




「それ以上続ければ、双方拘束させていただきます。落ち着いて事の顛末を説明してください」


「ごちゃごちゃうるせぇぞてめぇ! 外野が口を出すな!」


「そんなこと言っていいのかな~。そこの彼、確か來樺院って名前だったような……」


「ら、來樺院だって?」