私が恋に気づいた六年生の時、彼はもう中学校に行っていた。

当たり前のことだがその時の落胆はもうすごかった。

学校に行けばほぼ確実に会えるということの幸せさを妬んで妬んで、

妬むたびに少しずつからっぽになっていく自分が気持ち悪かったのを思い出す。

同級生に恋すれば良かったと何度思ったことだろう。

今は彼で良かったと安堵しているが。

でも、私が昔から習っていた算盤に彼が来てくれたので、ほぼ一言も話すことはなかったが姿は目に写すことができた。

それが私にとってどんな嬉しいことだったか。

命綱と言っても足りない。

週一回のこの日は心の支えであり、言い過ぎだろうがこの日のために生きているような気がした。

勿論、行く前は髪を梳かしてみたりと悪あがきもしてみたり。