「えまちゃん、こっちに来てお茶しよーよ」
「依茉。こっちおいで」
優星先輩と唯月先輩がそんなこと言ってくるものだから集中できない。
私は無視して反応しないでいれば優星先輩は髪に触れてくる。
「……っ……」
ビクッとして変な声が出ると「かわいいなー」とからかってくる。
「先輩っ、私勉強がしたいんです! 変なことしないでください」
「えーえまちゃん、頭いいんだから勉強なんてしなくていいじゃん」
「先輩たちは、常に五位以内に入るからいいですけど! 私は、勉強しないと入れないんですっ」
先輩方は教科書一度読めば覚えられるという超人さんだが、私はそんな天才的能力は持ち合わせていない。毎日毎日、勉強しないとダメなタイプだ。
「そうかなぁ? 今回は俺らが教えてあげるし、やらなくてよーし!」
「そんなわけにはいきません! 先輩に教えてもらってたら、なんか罪悪感です……正々堂々とやらないとですし」
「真面目だねぇ……でも、結果が全てなんだから甘えなよ〜多分みんな先輩とかに問題聞いてるよ」
優星先輩はそう言うとテスト範囲表が書いてあるプリントを見る。