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 くま先輩と私は資料室にファイルを置いてから備品庫に行ってコピー紙とかを二個とガムテープを持って生徒会室まで戻ってきた。


「二人、帰ってきた! どこ行ってたの」

「資料室と備品庫。ほら、コピー紙とガムテだ」

「なんで、依茉ちゃんを連れて行ったの? 外は敵だらけだから、まだダメだと言ったじゃないか」

「桃瀬さんが、行きたいといった。それに気分転換も大事だ。姫になって校舎には行っていないのはあまりにもかわいそうだ。姫のことをカゴの鳥にするつもりか?」


 そうくま先輩が言うと朝森先輩は黙ってしまった。確かにと私もと思ってしまったし、私でも言われたら言い返せないと思う。


「そんなつもりはない、ただ」

「ヤキモチならそう言いなさい。言い合いしていないでちゃんと行動しないとだめだ。籠の鳥にして大事にするのは、守るとは違うからな」

「そう、だな。ありがと……先輩」


 朝森先輩は私に近づくと「依茉ちゃん」と名前を優しい口調で呼ぶ。


「お腹すいた。お昼ご飯にしよーよ」

「今準備しますね、優星先輩」

「い、今名前っ! 俺、キュンときた。もう、好き!」

「ありがとうございます。私も、先輩方のこと好きですっ」


 そう言うと、なぜかみんな固まってしまったけど私は首を傾げるとおにぎりにかぶりついた。