朝、五時半。
私の一日はこんな早くから始まる。
「……うん、美味しい」
一日の始まりは、朝食とお弁当作りからだ。朝食は、グリーンリーフと紫キャベツのサラダに半熟の茹で卵と里芋のグラタンにバナナ入りのヨーグルトに食パンを大きなお皿に並べたワンプレートメニューだ。
テーブルに配膳が終わると、もう七時なのか皆がゾロゾロと起きてきた。
「おはようございますっ」
「おはよ〜今日も美味しそう!」
「食パンって今日も手作り?」
「はい。昨夜作っておいたので焼き立てではないですけど」
私が生徒会の姫になって早いことでひと月。姫という名のお世話係も慣れてきて、食パンも自分で作るほどになっていた。我ながら順応力には驚く。
みんなが食べている中、私は五人分ほどのお弁当箱におかずを作る。運動会並みのお弁当だが、みんな一日一緒のため大きなお弁当箱でいいんじゃんという話になった。
「依茉ちゃん、今日も美味しいよ」
「良かったです」
「依茉ちゃんは食べないの? そういえば」
「あ、はい。今からお弁当をつめるので」
私は詰めてから食べるんじゃなく、みんなが起きてくる前に食べたんだよね……そんなこと、言えないけど。