「うん。全然いいよ」



言いながら,未来の事を想像した。

いつか2人だけの鍵,あげれたらなぁ。



「ねぇ,みあ。こっち来て?」



リンゴ剥いてるのは分かってたけど,どうしても。



「うん」



みあは文句一つ言わずに来てくれる。

そんなみあを,僕は優しく抱き締める。

なんか,すごくそうしたい気分。

みあの驚く声がくぐもって聞こえた。



「そっそういえば,寝てる時,なんか夢見た?」



照れ隠しみたいに言うみあに,そうかもしれないと思う。



「うん。なんか……覚えてないけどすごく幸せな夢だった。多分,みあがいたんじゃないかな」

「えぇっ!? そんなっ……でも,嬉しい」



うん。

どんな夢かは分からないけど,きっとそう。

今だって,夢みたいに幸せだから。