それは私にとって何かを気づかされてしまうみたいだった。
なにもしないで、なんて言われてしまえば私が今までしてきたことが全部迷惑だった…みたいに受け取っちゃう。
確実に100%悪いのは私だけれど、空気がずどんっと重いものに変わってしまって。
「とりあえず僕の言うこと聞いて。マンション飛び出したり、あんなの駄目だよほんと」
「……ご、ごめん…なさい、」
「顧客リストはデータとしてパソコンにコピーしてあるから平気。だから僕が怒ってるのはそこじゃない」
すると彼はスマホを取り出して耳に当てた。
誰かに電話をかけているみたいで、少しすると「今日の会議、僕ちょっと無理そうだからお願い」なんて伝えて。
了承が取れたのか、そのままスマートフォンをテーブルの上に置いて、私に視線は移された。
「やめてほしい」
「…え…、」
「僕に背中を見せるのだけは」
さっちゃん泣きそう…。
なにかを思い出しているのか、誰かに重ねているのか、その声は弱々しかった。
「似てるんだよ、思い立ったらすぐ行動。そんなところが」



