きっとそれは周りへの顔もあるんだろうなって。

こんな借金まみれでヤクザにまで関わってしまった娘を誰が引き取るのかと、そりゃそうだ。


児童養護施設も、どこもいっぱいいっぱい。15歳の私を引き取ってくれる方が珍しくて。

そんなふうにしていたら、とうとう強面の取り立て屋さんが家に入ってきてしまいまして。



「ワレ、佐久間の娘か?」


「違います」


「嘘つくなや」



そんな嘘は当たり前のように相手にしてきているのか、彼等には通じなく。

中学校を卒業して春休みになって、高校行けるのかな……なんて不安は案の定。


そのまま白紙となった。



「ほんなら明日、迎えに来るわ。荷物なんか最小限でええ。準備しときぃ」


「…なにを、させられるんですか」


「行ったら分かる。ただ、逃げたらどうなるか分かっとるよな?」



という最大の脅しを15歳の女の子にしてくるヤクザさん。

どこが人情なのかと、なにが仁義なのかと。



「……行っても死ぬし、逃げても死ぬ。
…こんな無理ゲーありなの…?」