「で、クマ。どこ行くか決めてるの?」
「……あ、えっと、んーっと、」
「はぁ…決めてないし」
そんなため息吐かれても…!
外食なんて全然してなかった私に言う…?
やっと観羅伎町の一部のマップを覚えたレベルだよ!!
と、ピコンと颯のアンテナのようなアホ毛が立った。
「じゃあ秀平のとこ行こっ!ねぇ鹿野さん!」
「あ、いいね。ミオは初めてだろうし」
ん……?
秀平のとこって、秀平のことだよね…?
秀平は花ノ宮の生徒じゃないし、だけど私と楓の1つ上。
他校なんだろうなぁって程度でそんなに探ってはいなかったけど、そこに行くってこと…?
「へいらっしゃいっ!!」
「………え。」
「おーー!!鹿野さんに颯っ!澪まで!来てくれたんすか!!今日もお疲れっす!!」
スライド式のドアを開けた暖簾の先。
めちゃくちゃ張り切って声を出してくれる大将……ではなく、まだ若手のお弟子さんのような1人。
そこは観羅伎町の表道路に位置する、小さなお寿司屋さんだった。
「秀平!?え、板前やってんの!?」
「はいっす!!ここで修行させてもらってます!!」



