私を掴んでいた手を無理やりにも離させて、こんど私を掴んだ手は息を切らした鹿野 皐月のもの。
ぱしっと掴まれて、五十嵐 侑李と一定の距離を保つように身体がうしろに引かれた。
「この子には近づかないでよ。侑李より先に僕が盗ったんだから」
「はっ、こんなヘボい借金まみれのブツいらねーよ。こっちから願い下げだね」
うっ……その通りだけど。
って、めちゃくちゃバチバチスズメバチ…!!
まって、それは私を挟んでやることじゃないと思う…っ!!
私はね?ただね?
職員室に日誌をね……?
「じゃーな。お前はそうやって一生ぬるま湯に浸かってなよ皐月」
そう言って片方は去ってゆく。
登場から退場まで憎たらしいやつだった…。
てかぬるま湯って!!
そんな熱湯よりは長時間浸かってられるし最高だよ!!
「さ、さっちゃん…?」
「なんで3年の階にいるの?ここは危ないって言ってたでしょ」
「あ、えっと、職員室向かってたら広すぎて迷っちゃってたみたいで…!さすが私立…!」
「…僕が案内するよ。ついてきて」
元気出せーーーい。
おーーーい、バチこーーい。
私もそうだけどさっちゃーーん、これはもう元気出させるしか……ないよね?



