ずっとお助けマンで居たかったってことは、侑李と考え方や方向性だったりの違いで自らα9を抜けたのかもしれない。
さっちゃんってそーいう人。
まだ深い関わりがあるわけじゃないし、わからないことだらけだとしても。
あの人の優しさはたくさん受けているつもりだ。
「お。どこかのオジョーサンみっけ」
「ちょっ…!!!」
こんな廊下の真ん中でお嬢さんとか言ってくる!?
幸い生徒にも先生にも聞かれずセーフだったけど、まさかいま一番会いたくない人に鉢合わせてしまうなんて。
五十嵐 侑李、3年。
「し、失礼します!急いでるんでっ!!」
ここは逃げるが勝ちっ!!
でもなんか悔しいから突進でもお見舞いしてやろうと、ずけずけ体重を乗せてからの───
「うわっ…!」
スコッ。
それはもう綺麗に空振り。
ギリギリのところでサッと避けられて、よろっと傾いた身体は転けた。
「あんま俺にナメた態度取らない方がいいよ?お前の小さいとこと違ってヤクザと連結してるからさ」
「っ、」
と思えばぐいっと腕が引かれて、耳元にかすれた脅しが広がった。
くっそぅ……イケメンだから悔しい。
でも確かにこの人が一言でも私の在処を言ってしまえば、藪島組とやらは私を追いかけてくる。



