「そうだね、今日はわりと早く終わったし行こっか」
「やったぁ!秀平は何うたう!?」
「オレはゴリゴリのバラードっす!最近失恋したんで、泣くかもっす!」
はしゃぐ颯と秀平。
まるで2人のお兄ちゃんのように見つめて微笑むさっちゃん。
一緒に生活してみても思ってたけど…さっちゃんの包容力って半端ない。
やっぱり弟が居ただけあるなぁって感心してしまうくらい、おんぶされてるときもそうだけど安心感がすさまじくて。
「蘭くんはどうする?カラオケだって」
「俺はこの指輪を依頼人に届けて帰る。が、ハメ外しすぎるなよ皐月」
「分かってるって。ほんと蘭くんってオカンだよね」
「うるせーよ」
マスクを外した蘭さんは、ごく普通の町人に混じるように繁華街へ溶けていった。
やっぱりめちゃくちゃクール…。
確かに蘭さんがカラオケでマイク持つって想像できない。
「蘭さんって…こーいうの苦手なのかな」
ぽつりと、そんな背中を見つめていたら不意にもつぶやいてしまった。



