『皐月。後方3人、前方2人、囲まれてる』


『ふたてに分かれよう。ナンバー2、3、4は上。僕とナンバー5と6は路地』



先陣を切るは2人。

十字架ピアス男とフード男。


その背中を追いかける4人の仲間。

月が照らす青い夜、イヤモニから聞こえてくる2人の会話と命令通り、それぞれふたてに分かれる───けど。



「隊長っ!ナンバー5は裏道から行って囮になりまーすっ!!」



私はみんなとは違うルートへ。

もう街のマップも大体は覚えたし、追っ手もただのチンピラだから余裕っ!



『おい馬鹿…!向こうは最近調子こいてる暴走族の溜まり場だって教えただろ!!』



なんて私を、心配性のナンバー6はイヤモニいっぱいに叱ってきた。



「そしたらチンピラとそいつらを鉢合わせて戦わせるから大丈夫っ!!」


『おまえも巻き込まれるって言ってんの!おい皐月!あの馬鹿におまえからも言えって!』



もうっ、こうやっていつもいつも言ってくるんだから!!

一応は私、あなたより先輩だよ?
S.Roberでは先輩なんだよ?


てか任務中は名前で呼ぶの厳禁だから…!!

そうやって呼んで許されるのなんかあなただけだよ五十嵐 侑李!!