思ってもないことを言っちゃって、それであとから後悔する。

でも結局は恥ずかしくて謝れない。

それが兄弟なんだろうなって、私も思った。



「α9は終わるけど終わらない。だってS.Roberはα9の進化系だからさ」


「…なんだ、それ」



じんわり心が温かくなっていく。
ここに確かに睦月もいる。

だって鹿野 皐月と五十嵐 侑李が同じ涙を流しているんだから。


するとさっちゃんは涙を拭って愉快そうに笑ったかと思えば。



「でも、S.Roberも今日で終わり」



なんて、とんでもない発言をしやがった。


飛び起きたのは颯と秀平。
「え!?」と、反応した私。

蘭さんもバッ!と、さっちゃんを見つめた。


そんな私たちを気にすることなくさっちゃんは「侑李、」と、一声。



「考えたんだけど…S.Roberオーバードライブ、なんてどう?」



え、解散ってわけでは…ないっぽい…?

というかそれが新しい名前なの…?
もしかして新しいグループ名考えたの…?


ダサすぎない……?

それめちゃくちゃダサいってば、さっちゃん…。



「…考えてそれかよ。おまえらは兄弟そろってダサすぎ」


「あれ?やっぱだめ?」


「……オーバードライブは要らない。それだったら…いい」



涙を拭うことはせず、優しい顔をしてさっちゃんの手を取ったナンバー6。




「───おかえり、侑李。」



「…あぁ。ちょっと遠回りしすぎた」




新生S.Rober、ここに誕生。