俺が間違ってた。
おまえは睦月が好きだったお助けマンを続けてること、本当は分かってた。
こんな復讐なんかしたって睦月は喜ばないって。
睦月は何年経っても変わらない俺と皐月がいれば報われるって、そんなこと分かってたんだよ。
だって俺は───…皐月より睦月の兄ちゃんしてたんだから。
「これでもうα9ちゅうお遊びも終いや。ほな、さいならやで侑李」
最後に伝えられてよかった。
皐月が信じる俺で笑えてよかった。
「おわらねーよ……、アルファナインは、…おわらない、」
あいつがいる。
皐月がいる限り終わらない。
それが俺の最後の言葉としては格好良いんじゃないかと、ゆっくり目を閉じた。
『ユーリっ!なぁオレがあげたピアスどう!?前のより良い!?』
死ぬ間際になると、人は誰しも走馬灯を見るという。
これがたぶんそれなんだろう。
俺の前には俺が知る睦月が笑っていた。
『オレ喉乾いた!ジュース買ってよユーリ!』
そんなの自分で買ってよ。
っていうか皐月に頼めばいいだろ、おまえは皐月の弟なんだから。
俺はそんなことを言ったような気がする。
そのとき、あいつはなんて言ってたっけ…。屈託ない笑顔で、周りに見せびらかすように言ったんだ睦月は。
『なに言ってんだユーリ!オレの自慢の兄ちゃんは2人いるんだぜ!!』
なんていい走馬灯を見せてくれるのかと。
俺は腕を伸ばして、ずっとずっと先で待つ睦月を掴もうとしたのに───



