これしか出来ない。
俺には、これしか出来ないよ睦月。
情けないだろ。
おまえを守ることも出来ず、それなのに今の今まで勝手に兄貴面をして。
最期の最後まで、おまえの兄ちゃんになりたくて。
「ほう?泣かせるなァ。だが、この世界はそんな甘いモンちゃうで?」
俺の願いは叶うことなく、男はじっくり炙られた鉄パイプを手にして向かってくる。
「───…、」
もし、わがままを言っていいなら。
ここまでα9に泥を塗った最低な俺でも、最後だからと許されるなら。
また3人でお助けマン、したかったなぁ───…。
『ダメだユーリ!まだこっちに来ちゃダメだ…!!』
はは、そんな幻聴まで聞こえるようになった。
どこで見てんだよおまえ…。
声かけてくれるならもっと早くしろよ、それと顔くらい見せろよ…。
『ユーリ…!兄ちゃんたちがもう少しで来るから…!!』
来ねーよ。
俺は皐月にひどいことばっかしてきたんだ。
あいつが一番悲しむことをして、一番傷つく言葉を言った。
「も……、だめ、だ…、ごめ……ん…」
ごめん睦月、ごめん皐月。
皐月、おまえがS.Roberを作ったとき、俺の知るおまえも居なくなったような気がして腹が立った。
睦月が生きていた思い出も消すつもりなのかって、ムカついて悲しくて。
だけどそれ以上に羨ましかったんだ。
だってそこには、まるで睦月がそこに居るんじゃないかって思うくらいの温かさがあったから。



