「バレないと思ってたのに……」



髪もバッサリ切って、地味な服装で見た目は男の子に変装したつもりだった。

ここは都内屈指の繁華街、裏カジノやら違法密売・違法取引を平気でやってのける街。


人だって多い、チンピラだって多い、ホームレスに徘徊人ばかり。

だから紛れちゃえるだろうと。



「なのにソッコーバレるってなに!?」



あっ、バカ!しずかにしなきゃ…!!

今もきっと近くを893さんがうろちょろしてるはず。


この街を取り締まるのは警察ではなく、極道とやらに生きる男たちだということ。

それを考えずに来てしまった浅はかな15歳のガキ、そう、WATASHI☆



「……どうしよう、ほんと……笑えないってこんなの、」



路地裏に身を隠すようにうずくまる。

どうか見つけられませんように。

「どこ行きやがったあのガキ…!!」と、今も探し回る声よ。


さっさと消えちまえバーカ。



「てか、いま何時…?」



それすらも分からない15歳って今の時代ありえる…?

大体は手持ちの四角い小さいやつでわかるよね!?

なのに分からないの逆にすごくない!?
スゴすぎじゃない!?