ネオン街とやらは普段から来ていないと目がチカチカすることが良くわかった。
いつもこの時間はベッドでゆっくりしてるし、はやいときは寝てしまってる。
夜の町はこれから“おはようございます”って感じなんだろうなぁ…。
なんて考えながら会話を続けていた私に、鹿野さんは振り返った。
「え、怪我?」
「少し前に転んで、膝を擦りむいてて。まだ見てないですけど…たぶんけっこう血が出てると思うから」
今だって普通に歩いてるふりしてるけど、実際はヒリヒリ痛くてうまく歩けない。
これ、お風呂に浸かったらめちゃくちゃしみるやつ。
想像するだけで今もぶるっと身震い。
「なんでさっき言わないの。ほら、」
「……え、」
スッと目の前にしゃがまれた。
背中を私に向けて、まるでそこに乗れと言っているみたいに。
「はやく、乗って」
「いや歩けます、けど…」
「いざ見つかって追われたら僕も気にせず置いて走るだろうから、そのときまで体力は温存しておかないと」
なんかサラッとクズ発言だ。
でもこんな通路の真ん中でされたことにより、周りから注目の的。



