それでいて睦月は単純な子だったから、すぐに目をキラッと輝かせた。
お金には困らない生活をしている僕たちが誰かのためだけに働く。
ボランティアと言われればそうなんだろうけれど、不満も苦痛もなくて、それは喜びが心に生まれる行動だった。
『お助けマン参上~~~!!』
『なっ、なんだてめぇらっ!』
『この万引き犯!!オレたちに懲らしめられたくなかったら大人しく盗ったもの出せ!』
ヒーローは素顔を見せないもの。
ネックウォーマーで顔を隠して、格好いいからとパーカーはフードまで被る。
繁華街へ出向く理由はいつからか“街の人々を助けるため”に変わって。
交番に勤めるお巡りさんからも感謝されて、常に観羅伎町に来ている常連からは“この街のお助けマン”として定着しつつあった。
『ねぇ侑李、そろそろ名前決めない?』
『だね。確かに俺も思ってた』
『それならオレ決めてるよ!!』
こいつのネーミングセンスで大丈夫かと、不安が渦巻いた。
影響を受けやすい睦月のことだから、ゲームだとかアニメだとか中二病全開の名前を言ってくるに決まってる。



