「さ、さっちゃん…?」
「ん?」
「こんなので元気でるの……?」
「でるね、わりと」
ええええ、やっすーーー…。
安いって表現は自分で言ってて悲しくなってくるけど、でもなんていうか……本当にこんなのでいいの?
って感じだ。
「だってこーいうのって…あの婚約者さんとかにやってもら───うっわ!苦しい…!さっちゃん苦しいって…!」
「僕、ミオの口からその言葉でるの、すっごい嫌なんだよね」
そんなこと言われても……。
だって彼女ってことは好きってことでしょ…?婚約者ってことは結婚したいくらい愛してる人ってことでしょ…?
でも確か親が勝手に決めた、とか言ってたっけ…。
「さっちゃん、私、」
「皐月」
「え…?」
「って、呼んでみて」
ぎゅうううっと抱きしめられていた力が少し弱まって。
強ばる私の身体を安心させるかのように、背中に回った手は後頭部を優しく撫でてくれる。
でもさっちゃん……。
色んな意味でそれって逆効果なんだよ。
「さ、さつき…」
「もう1回」
「…皐月」



