また、ぎゅっと心臓が苦しくなった。 どく、どく……。 通常よりも早い鼓動に戸惑う。 すぐ近くにいるわけでも、見つめられてるわけでも、キスされてるわけでもないのに。 いったん逸らして、また戻す。 文字をなぞる視線。 ページをめくる指先。 ひとつひとつの動きに目を奪われてしまう。 コントロールできない心臓を服の上からぎゅっと抑えて、そっとベッドに戻って横になる。 早くおさまって……と願いながら、目を閉じた。