京様が戻ってきたらまず謝ろう。

嫌だったわけでも、本当に疲れたわけでもなかったことを、ちゃんと説明して……。



頭の中でシュミレーションを繰り返して京様が戻ってくるのを待った。


だけど、やがて聞こえたきた足音は、かなり慌ただしいもので。



「急用でちょっと出てくる。風呂とか好きに使っていーから。夕飯は部屋まで運ばせる」


「え……あ、……静日くん、」


「ベッドは一番奥。夜中には戻るから先に寝てな」



淡々と要件を伝えるだけ伝えて。

ろくに見送らせてもくれなかった。



京様のいうとおり、19時になると、スーツを着た男の人が食事を持ってきてくれた。


身の丈にあわない豪華なそれをひとりで食べて、お風呂を借りて、髪を乾かして。